体温の測定
うちの子熱っぽいかしら…?そのように感じたとき正しい体温を測定できれば早めに異常に気付くことが出来ます。
身体の中の体温調節について
ワンちゃんネコちゃんは脳の中に体温を管理する中枢があり、そこで体温の調節管理をしています。
体温中枢に入ってくる血液の温度が高かったり低かったりすることで以下のような体温調節機構が働きます。
体温が下がった場合の調節
筋肉を震わせて熱を作ったり、皮膚の血管を収縮させ熱が逃げるのを減らし、体温維持に努めます。
体温が上がった場合の調節
パンティングを盛んに行い、体温の水分を蒸発させることにより熱を逃がします。
発熱が起こると…
体温中枢にある体温調節機構の設定値が狂ってしまい、通常よりも高くなっていまいます。
そのため体はいつもよりも寒いと感じてしまい、体温を上昇させるために震えだします。
このとき皮膚の血管は寒い時のままなので収縮をしており熱が逃げづらい状態なため、体はさらに上昇するという悪循環に陥ります。
そのため一度熱が出ると引くまでにとても時間がかかってしまうんです。
より詳しくは症状から考える病気「体温異常」をご覧ください。
体温の測定方法
体温は体温計を直腸に挿入して測定します。
体温の目安
犬・猫:おおむね38.0~39.0℃
体温の測定を動画解説
院長のポイント解説
直腸での体温測定はご自宅で行うと嫌がる子も多いかもしれません。
ポイントはしっぽを優しくつかみ、上に持ち上げることです。それにより肛門に体温計が入りやすくなります。
そして体温計の先が1cmほど直腸内に入ると少し抵抗感を感じるかもしれません。
それは動物たちが肛門を収縮させようとする反応が出てくるからです。
そのまま押し入れようとすると嫌がってしまいますので、ある程度体温計の先が入った時点でしっぽを持ち上げる手を緩めると、肛門の収縮も緩み体温計が入りやすくなります。
その他の体温測定に関する細かいポイントは当院ブログ内はご自宅でもできるワンちゃんネコちゃんの身体チェック⑧「体温の測定」でお話ししていますので参考にしてください。
おすすめ体温計のご紹介
愛犬愛猫の体温を測定する際、長い間じっとさせていることは難しいかもしれません。
そのような飼い主様には動物病院専用の体温計をおすすめしております。
この体温計は先端がとても柔らかいので、動物たちが動いても痛くありません。
そして測定も短時間で終わるのでとても便利です。
もし使ってみたいという飼い主様がいらっしゃいましたら当院スタッフまでお声掛けください。
⇒ 4)被毛と皮膚のチェック
<参考文献>
Medical History and Physical Examination in Companion Animals
<関連ブログ>
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