減感作療法について
アレルミューンHDMを使った減感作療法について解説をします。
減感作療法とは?
減感作療法とはその子にアレルギーを引き起こす物質を低濃度の生体に反応を起こさせない量から体内に入れていき、徐々に高濃度にしていくことで身体に慣れさせていき、最終的にその物質にアレルギーを起こさなくさせる治療方法です。
現在行われているアトピー性皮膚炎の治療の中で、アレルギーを根本的に解決するための唯一の治療方法になります。
今までの減感作療法は?
アトピー性皮膚炎の根本的な治療方法として有効な減感作療法ですが、今まではまず、その子が何がアレルギーになっているかの検査を行いその結果をもとにオーダーメイドで減感作療法の治療薬を作成していたため、費用もかなりかかるものでした。
また、20回以上の頻繁な注射治療が必要だったり、治療期間が長かったりと治療を行える子が限られてしまっていたのが現状でした。
アレルミューンHDMとは?
今までの減感作療法の「投与回数が多い」、「治療期間が長い」などの煩わしさを克服し、さらに安全性と有効性を高めた新しい減感作療法の治療薬です。
アレルミューンHDMの特徴
1.アトピー性皮膚炎の主要アレルゲンであるコナヒョウヒダニから分離された蛋白抗原Derf2を使用
犬のアトピー性皮膚炎において日本国内で最も多いアレルゲンはハウスダストマイトです。
そのハウスダストマイトの中のコナヒョウヒダニから分離された蛋白抗原を不純物を取り除きより安全性を高めたものがこのアレルミューンHDMで使用されている組換え型Derf2になります。
そのため、治療を行うワンちゃんがハウスダストマイトにアレルギー反応を起こしていれば、このアレルミューンHDMを用いた減感作療法を行うことができるようになったのです。
2.組換え型Derf2をプルランに結合させることにより、有効性と安全性を向上
プルランとは多糖類の一種です。組換え型Derf2をそのプルランと結合させることで、副作用のもとになる反応を抑制するとともに、早期にかゆみを抑える作用を増強しています。
3.簡単な治療プログラム
1週間に1回アレルミューンHDMを5~6回注射します。
※アレルミューンHDMを用いた減感作療法を行ったあと1年後に、アトピー性皮膚炎の症状がどれだけ治まっているかを観察した研究で、6回投与した犬の方が5回投与した犬に比べて高い有効率を維持していたという結果が出ています。
そのため当院でアレルミューンHDMによる減感作療法を実施する際は、6回連続投与を推奨しております。
⇒  当院での減感作療法を行うための流れ
<参考文献>
『アレルミューンHDM』パンフレット
<関連ブログ>
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