アトピー性皮膚炎(環境性アレルギー)の治療方法について

アトピー性皮膚炎(環境性アレルギー)が疑われる場合は以下のような特徴があります。

アトピー性皮膚炎の判断基準

① 3歳以下で発症

② 主に室内飼い

③ ステロイド反応性のかゆみ(ステロイドを飲ませると良くなるかゆみ)

④ 病変より前に掻痒が存在する(皮膚炎などがないのにかゆみがあること)

⑤ 前肢趾端に病変がある(前足をかじる行動が目立つ)

⑥ 耳介に病変がある(耳の内側、耳の穴の入り口前の部分)

⑦ 耳介辺縁部(耳のふちの部分)には病変がない

  ⇒病変があるのは「疥癬」を疑う! 

⑧ 背側腰部(背中側の腰の部分)には病変がない

  ⇒病変があるのは「ノミ」を疑う! 


※診断基準のうち、5つに該当するとアトピー性皮膚炎と診断されます。


アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎との向き合い方

アトピー性皮膚炎のワンちゃんは反応するアレルゲンの原因にもよりますが、基本的には常にある程度のかゆみに悩まされています。

どのようなアレルゲンに反応しているかの目安としては、

・季節によってかゆみが変わる犬(例:夏にかゆくなり、冬になると落ち着く。)
⇒季節性のある草や花粉などに反応している可能性あり!

・季節に関係なくかゆい犬
⇒ハウスダストや家の中ある敷物など常に接触しているものに反応している可能性あり!


などが考えられます。しっかりと何に反応しているかを把握するにはアレルギー検査を行うと検査できる項目に関しては何に反応しているかははっきりします。


しかしある程度かゆみがひどい場合には、かゆみを取ってあげる対症療法が必要です。

そしてアトピー性皮膚炎を治してあげたいというワンちゃんには根本の体質改善を目指す減感作療法を行うこともできます。


獣医師

院長のポイント解説

アトピー性皮膚炎が疑わしいワンちゃんに関して本格的な治療する前に日々の習慣としてやっていただきたいことがあります。

それはまめに洗っていただく!ことです。

アトピー性皮膚炎の子は常にアレルゲンが体にくっつき、それに体が反応するとかゆみにつながってきます。

そのため皮膚の表面についたアレルゲンを洗い流すという意味でこまめに洗ってもらうとかゆみは違ってくると思います。

理想は毎日でも洗って頂ければ一番良いと思うのですが、さすがに毎日は大変だと思います。

そのためよくアドバイスさせていただく方法としては、お散歩後に全身をぬれたタオルで拭いてもらうことです。

皮膚の表面についたアレルゲンを取るという意味ではぬれたタオルで拭いてあげるだけでも効果はあります。

ぜひお試しください。

⇒  対症療法(軽度のかゆみ、局所のかゆみ)について


<参考文献>

『犬のアトピー性皮膚炎』パンフレット


<関連ブログ>

皮膚がかゆいんです!!



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